前回、前々回と5月7日に東京国際フォーラムで行われた Unite 2018 Tokyo の Keynote について、その前半・中盤を解説しました。
Unite 2018 Tokyo:「Keynote」Part 1
Unite 2018 Tokyo:「Keynote」Part 2

今回は最後のパートで、Unity Labsからの話しとなります。
下の画像は Unity Labs で行われている研究開発の1つ、「Carte Blanche」というプロジェクトのデモです。(Unite 2018 Tokyo の動画の切り抜きです。)
Unite 2018 Tokyo_21

今回の Unite 2018 Tokyo Keynote の内容の中では、この Unity Labs の話しはとても興味深いものでした。他の Unite の少なくとも Keynote では私は見たことのなかったものです。

【Unity Labs で取り組んでいるプロジェクト例】
では、Unity Labs から最初のプレゼンターは Vice-President Research Labs の Sylvio Drouin です。要は、Unity Labs の上の方の人です。
彼曰く、Unity Labs では、次の10年間で ゲームの開発の仕方、AI、ディープラーニング、グラフィック、VR/AR、ストーリーテリングがどのように進化するかを探求しているとのこと。
そして、近い将来 “創る” や “遊ぶ” の概念が曖昧になり、コンテンツを作り上げる行為は、クリエイターのイマジネーションにより発生していきます。
また、クリエイターはディープラーニング駆動型のコンテンツオーサリングマシンと会話しながらコンテンツを生み出していくことになると Unity Labs では予測しています。
最終的には、“創る” と “遊ぶ” の境界線が取り払われ、誰もが作り、学び、遊べる未来が訪れると。

Unity Labs としての考え方は以上のようなことで、ここからが私は興味深かった。
そんな Unity Labs が考える未来予測を実現するため、現在 Unity Labs で取り組んでいる具体的な内容が、いくつか動画ですが 紹介されました。
(以下は全て Unite 2018 Tokyo の動画からの切り抜きです。)

【Editor XR】Create VR in VR in Unity
Unite 2018 Tokyo_11

【XR Foundation Toolkit】XR Interaction & Locomotion Framework
Unite 2018 Tokyo_12

【Animator XR】Motion Curve & Timeline Prototype
Unite 2018 Tokyo_13

【ARView】AR Window into VR
Unite 2018 Tokyo_14

【Humans Research】High-Fidelity Human Rendering
Unite 2018 Tokyo_15

【Graphics Research】Rendering Layered Materials using Statistical Analysis
Unite 2018 Tokyo_16

【Behavior Planner】Goal-Oriented Behavior Authoring
Unite 2018 Tokyo_17

【Animation Synthesizer】ML-Driven Procedural Animation
Unite 2018 Tokyo_18

【UX Research】Mixed Reality Interaction Concepts
Unite 2018 Tokyo_19

【MR Editor Mockups】Unity-in-AR Concept Prototypes
Unite 2018 Tokyo_20

Unity Labs でやっていることはいくつか個別にこれまでも紹介はありましたが、これだけまとめて興味深い研究内容を見られると、これからの Unity に期待しちゃいますね。

【研究開発中の VR環境でレベル設計をするツールの紹介】
その後、Director, XR Research の Timoni West とバトンタッチして、彼女が Unity Labs で研究開発している、VR環境でレベル設計をしていく新しいツールを紹介しました。
「Carte Blanche」というプロジェクトで、VR環境にあるテーブル上でスマートアセットの部品をつなげてレベル開発していくと言うもの。(今回の紹介記事の一番最初の画像です。)
2018年10月に実験的なビルドが配布されるとのこと。

デモ映像をみるとゲームを開発しているというより、まさにゲームで遊んでいるような感じでした。
個人的にはこのような開発環境による開発は、この開発ツールを開発した人たちの枠をでることができず、クリエイティブ性がダウンしそうな気がします。しかし、Unity の言う開発の民主化を推し進め、この範囲内でのクリエイティブ性はアップするのだろうな。

と、3回に渡って Unite 2018 Tokyo Keynote の紹介をしてきました。
もうベルリンでは、次の Uniteが終わってしまっており、Uniteやりすぎな気もします。
しかし、その地域では年に1回の話しであり、重要な情報収集の場であり、Community を広げる場、Show Caseの場でもあります。
やはり、これくらいやってくれている Unity の User(開発者)の立場に立った活動にとても感謝です。

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