今回は、Software Design Plus シリーズの「ゲームエンジニア養成読本」と言う本を紹介します。



【内容と感想】
この本はゲーム開発者になるための基本から、プログラムのゲームへの最適化手法や、ランタイムデバックの方法までと広いトピックを取り上げています。
各章で取り扱っている内容は以下にあげておきますが、作者が章によって違うせいか難しいレベルがけっこう違います。
全体的には中級者以上で、ゲーム開発に既に携わっている方が対象かと思います。
説明の中で使われるゲームエンジンは Unreal Engine 4で、プログラムは C++ を使っています。
実際のゲーム開発会社で働いている人は Unreal Engine 4も Unity もプロジェクトによってどちらも使っているかと思いますが、Unity のみしか使ったことない人には けっこう大変かもしれません。

私の中ではデバックの章がためになりました。ここでの説明では Visual Studioを使っています。
基本的なデバックの流れからバグの特定の仕方まで、けっこう詳しく深い内容が書かれています。
具体的にはプレークポイントの条件設定やデータブレークポイントの設定法など基本的なことから、逆アセンブル表示の読み方や ダンプの解析法まで。
私はこの章が一番面白かったです。(あんまり Unreal Engine 4に興味がなかったせいかもしれませんが。)
逆アセンブルの読み方が書かれている本を初めて読みました。

ちなみに、単純にC#でのデバックの基本と応用と言うことが知りたいのであれば、以前 本ブログで紹介した以下の「C#プログラマーのためのデバックの基本&応用テクニック」の方がお薦めです。
本紹介「C#プログラマーのためのデバックの基本&応用テクニック」



【各章の内容】
では、以下に章と作者の方のリストを載せておきます。

第1章:ゲーム開発ことはじめ ゲームエンジニアの世界(南野真太郎さん、長谷川勇さん)
ゲームの歴史からゲームエンジニアの役割、開発ツール、開発言語の概要とゲームエンジニアの基礎知識的内容。

第2章:ゲームプログラムの構造とレベル設計 ゲームランタイムの基本(佐藤達麿さん)
ゲーム特有のフレームループに関する基礎的考えから、効率を考えたゲームプログラミング法について。レベル設計の基礎も。

第3章:ノードグラフを用いた迅速な開発 [ゲーム開発の必須環境]ビジュアルスクリプトの基礎知識(長谷川勇さん)
ノードグラフ形式のビジュアルスクリプトに関する一般的知識について基礎から応用まで。

第4章:ボールを斜めに打ち出すサンプルで学ぶ Unreal Engine 4による [実践]ビジュアルスクリプト開発(長谷川勇さん)
Unreal Engine 4の使用法と、ブループリントエディタを使ったビジュアルスクリプトの記述法の説明。

第5章:ゲーム開発特有のルールを知る ゲームエンジニアのための 最適化入門(佐藤達麿さん)
ゲームプログラムは1フレーム内で処理を完了させる必要があると言うことで、プログラムの最適化手法の説明。

第6章:デバック上手が一流のあかし ランタイムデバック入門(長谷川勇さん)
デバックの基本から、かなりの応用まで説明。

Appendix:Visual StudioとUnreal Engineのインストール 

上記のように、この本は基本的な内容も含まれていますが、どちらかと言うと中級者以上のゲーム開発者向けの本でしょう。

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