Google が提供する ARCore に関して、以前、HelloAR と言う ARCoreで一番基本となる AR機能を備えたサンプルプログラムの設定法を紹介しました。
ARCore のサンプル HelloAR を試す Part1

今回は、ARCore1.2 からリリースされた Cloud Anchors と言う機能に関するサンプルプログラムの設定法を紹介します。Cloud Anchors は AR環境を複数の端末間で共有する仕組みです。要はマルチプレイヤーでの AR環境を実現するため、現実空間の位置情報の共有をするための機能となります。

このサンプルプログラム Cloud Anchors の最終イメージは以下のような感じになります。

ARCore_32

また、本件の元ネタは以下になります。
Quickstart for Cloud Anchors in Unity for Android

【作業の概要】
以下に作業全体の流れを示します。後から、詳細を説明しています。

 1. Google Cloud Platform でAPIキーの作成
  1.1. Google Cloud Platformへの接続
  1.2. 新しいプロジェクトの作成
  1.3. ARCore Cloud Anchor APIの有効化
  1.4. APIキーの作成
 2. ARCore SDK for Unityのダウンロードとインポート
  2.1. ARCore SDK for Unityのダウンロード
  2.2. ARCore SDK for Unityのインポート
 3. Unityでの設定
  3.1. PlatformをAndroidに変更
  3.2. Player Settingsの設定
  3.3. Project Settingsの設定
 4. 実機での実行
  4.1. Host側の実行
  4.2. Remote Client側の実行

【使用環境】

 ・ Wiindows10
 ・ Unity 2017.4 (JDK や Android Studio は事前にインストール済み)
 ・ ARCore SDK for Unity v1.4.0 (v1.2 以降必須)


【1. Google Cloud Platform でAPIキーの作成】

1.1. Google Cloud Platformへの接続
ARCore の Cloud Anchors は Google Cloud をアンカーの位置情報共有に利用しています。まず Host側がアンカーとなるポイントの位置情報を Google Cloud上に保存し、他の端末が Cloudからその位置情報を取得して現実空間のアンカーの位置を共有する仕組みとなっています。
そのため、サンプルプログラムであっても、Cloud Anchorsを試すには Google Cloud への接続が必須で、Google Cloud Platform の APIキーがアプリケーション識別のため必要となります。

まず、以下から Google Cloud Platform に接続します。Gmail 等で使っている Googleアカウントがあればログインできます。

Google Cloud Platform
ARCore_33


1.2. 新しいプロジェクトの作成
Google Cloud Platform で新しいプロジェクトを作成します。プロジェクトの名前を入力して「CREATE」をクリックします。
ARCore_34

作成したプロジェクトを開きます。
ARCore_35

左上のボタンからメニューを開き、「APIs & Services」を選択します。
ARCore_36


1.3. ARCore Cloud Anchor APIの有効化
ARCore の Cloud Anchor API を追加するため、「APIs & Services」画面の上部にある「+ENABLE APIS AND SERVICES」をクリックします。
ARCore_37

上部にある Searchエリアに「ARCore Cloud Anchor API」と入力します。
ARCore_38

すると、APIが1つだけ絞られますので、この1つをクリックします。
ARCore_39

これが、正に必要な「ARCore Cloud Anchor API」ですので、「ENABLE」をクリックして有効化します。
ARCore_40

「ARCore Cloud Anchor API」が有効化され画面が開きます。
ARCore_41

1.4. APIキーの作成
左側のメニューから「Credentials」をクリックして、Credentials 画面を開きます。新しい Credentialsを作成するため、「Credentials in APIs & Services」をクリックします。
ARCore_42

「Create credentials」をクリックします。
ARCore_43

「API Key」をクリックします。
ARCore_44

API Keyが作成されて、表示されますので、コピーしておきましょう。後でUnity側の設定で使います。
ARCore_45


【2. ARCore SDK for Unityのダウンロードとインポート】

2.1. ARCore SDK for Unityのダウンロード
まず、GitHub から最新の ARCore SDK for Unity をダウンロードします。以下のリンクから Unity Package がダウンロードできます。
https://github.com/google-ar/arcore-unity-sdk/releases

このページの、ARCore SDK for Unity v1.4.0 であれば、以下の「accore-unity-sdk-v1.4.0.unitypackage」をクリックしてダウロードします。(Unity Package のバージョンで画面は変わるかと思います。)
ARCore_02

2.2. ARCore SDK for Unityのインポート
Unity を立ち上げます。
「Assets > Import Package > Custom Package...」でダウロードした Unity Package を選択してインポートします。
ARCore_03

全てにチェックが付いているのを確認して、「Import」ボタンをクリック。パッケージのインポートが始まります。
ARCore_04

インポートが完了したら、ARCoreが使える状態になりました。

今回はここまでにします。今回は設定のための前準備と言うことになりました。次回は Unityエディタでの設定と、実機での実行に関して解説します。

ARCoreのサンプル Cloud Anchorsを試す Part2
 
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