先月11月16日に地元 シンガポール で Unity のイベント、Unite Singapore 2018 が行われました。そこで、私が興味のある AR/VR 関連のセッションにいくつか参加してきました。

前回、その1つとして、スウェーデンの XRの事例をとりあげた「Powering the adaptation of XR in business」と言うセッションを紹介しました。

【Unite Singapore 2018:「XRの事例紹介セッション」】

今回は、マレーシアの ARの事例となります。Tiptech360の Co-Founderである Jason Low が行った「Visualizing Data Analytics in AR – An IoT Simulation Case Study」と言うセッションについて紹介します。

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また、このスピーカー Jason Lowは昨年の Unite Singapore 2017でもARのネタでセッションを行っていました。
彼の会社 Tiptech360( http://tiptech360.co/ )はマレーシア クアラルンプールにある会社で、AR、VRの開発をメインに行っている会社とのことです。

内容は彼の会社がマレーシアで扱った事例の紹介が3例話されました。どれも IoTと AR技術を連携するもので、センサーで集めたデータを ARでいかに可視化するかがキーとなる案件です。

【IoTセンサーのデータをAR表示】

まず1つ目の事例が、Data Dashboards として開発した IoTセンサーのデータを ARにて可視化するツールです。

例えば、工場にある何かの機器についてのデータ、温度、電力、加速度等の各種データをセンサーで取得。またそれらセンサーの位置情報も取得します。それらを Cloud上に集め、そこでユーザが必要となる情報に加工を行います。
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そして、ユーザのデバイス上でそのデータに見合ったグラフで ARとして現実の機器の適した位置に表示するようなツールだそうです。Cloud上に集めた情報なので、現場にいなければ ARを使わないでグラフ形式などでも見られるとのこと。
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この ARアプリの開発でUnityを使っているらしいです。

【美術館での関連情報のAR表示】

2つ目の事例が、クアラルンプールの National Art Galleryの例です。その美術館で美術品に関する関連情報を訪れた観覧者に ARを用いて提供すると言うもの。
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観覧者が美術品の近くにくると、ビーコンから Bluetoothを使って観覧者の Mobile Deviceに情報を送ります。その情報を受け専用アプリが近くにある美術品で ARに対応しているものを知らせてくれというもの。そして、そのアプリでその美術品の情報を ARの形で見られます。
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また、観覧者の Mobile Deviceからの情報を受け、美術館側はどの美術品にどれくらいの人が興味を示したかなんかを分析できるとのこと。
このアプリの開発はもちろん Unityです。観覧者が使用するアプリであるので Androidと iOS版を用意する必要があったが、容易に展開できたと Unityのメリットを語ってました。

【ARをSmart Cityシミュレーション】

3つ目の事例が、ARを用いた Smart Cityのシミュレーションの例です。
これは、ARで既に実際のアプリやツールを作ったのではなく、Smart Cityの街で、ARと IoTを使うとこんなに便利だよと言うシミュレーションとなります。
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街に設置されたセンサーを使って Wifiの電波を可視化したり、天気情報や東南アジアでよく問題となるヘイズ(Haze:微粒子が多数浮遊して煙のようにし視界がわるくなる現象ですが、東南アジアではインドネシアで行われるプランテーション(焼き畑)による煙が原因で東南アジア一帯が煙に包まれます。)の観測値なんかを街中で可視化したりするものだそうです。
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紹介のあった事例は、そんなにびっくりするほどの新鮮味はありませんね。しかし、やはり IoTと ARの組み合わせは相性がとても良さそうです。私もこの組み合わせをもうちょっと研究してみようかと思いました。

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