先月末(1月24日―28日)に台湾の台北で行われた、台北ゲームショー に参加したレポートを前回に引き続き行います。前回は、台北ゲームショー自体の説明を中心に行いました。

台北ゲームショー(TAIPEI GAME SHOW)の参加レポート Part.1

今回は、自分のゲームで得た知見や、台北ゲームショーの感想などをレポートしてみます。
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ちなにみに、当日は Lam7 としてシンガポール人デザイナーと一緒に作っている「Gotcha! AR」と私が Lab7 として作った「Merlion Adventure2 AR」も展示してきました。どちらも AR の機能を利用したゲームです。これらに関して、業界関係者や台湾のユーザの方々からご意見を頂いてきました。
【VR/ARゲームについて】

まず、自分のゲーム以外について。VRは VRゾーンが特別にあり、いくつか面白いゲームを展示してました。シンガポールもそうですが、けっこう台湾でも人気があるようでした。

ARゲームに関しては、我々以外だと、台湾の1社だけが展示していました。
台湾の個人開発者の方でしたが、ライブラリは ARCore を使用。加速度センサを利用して、デバイスの位置(上下左右)で向かってくる障害物を避けるようなゲームです。
台湾の一般ユーザーにはけっこう人気があるようでした。
この開発者とは友達になってきたので、今後もいろいろ AR関連の情報交換をしていこうかと思っています。


Gotcha! AR

我々が Lam7として開発して今回展示した ARアプリです。どんなものかは、こちらのページで以前説明しました( http://blog.lab7.biz/archives/15436147.html )。

簡単に言うと、ARCoreCloudAnchors を使用してプレイヤ4人の位置をリンク。デバイスの位置(加速度センサ)でキャラクタを操作して、相手を捕まえたり、逃げたりしていくゲーム。要は、自分自身が移動してキャラクタを操作します。

ゲームとしては鬼ごっこにも近いですが、人狼ゲーム的な要素も含めています。アイテムやヒントを集めながら捕まえる相手が誰かを見つけていくようなゲームとなっています。
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皆さん、今までにないような操作システムだけに、実際のものを見せながら説明しなければ特徴がつかめない感じ。理解すると、「なるほど、面白いね。試してみたいな。いつリリースするの?」と言うような、まあまあ高評価な感じでした。
まだリリースできてないのは残念でした。
しかし、遊ぶための大きなスペースが必要なことに対して、「?」なご意見もあり、ちょっとリリースの仕方、プロモーションの仕方を考えないとと言う感じです。


Merlion Adventure2 AR

私が Lab7として開発している Merlion Adventure シリーズに AR機能を追加して最近リリースしたVersion2です( http://blog.lab7.biz/archives/15257258.html )。

シンガポールのマーライオンを操作しながら悪のマシーンライオンと戦うゲーム。
このアプリのゲーム部分はシンプルで、自分のピンクのラインを囲むと安全な白いエリアができます。自分のピンクのラインを相手にカットされないように守り、相手のラインをカットするようなゲームシステム。陣取りゲームにも近いものです。
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子供たちには受けますが、業界関係者にはゲームとしては別に大した新しさが感じられません。
そこで、このアプリの AR部分を見せると、多くの方に面白いアイデアと言ってもらったり、驚いてもらったりしました。

AR部分には「塗り絵機能」と「写真機能」を付けています。
塗り絵機能は、マーライオンの塗り絵をまずHPからダウンロードして、お子さんなんかがマーライオンの塗り絵に色を塗ったとします。それの写真をとると直接3Dモデルのテキスチャーに反映され、お子さんの塗ったマーライオンの3Dモデルが完成します。
それを「写真機能」で、よくARアプリであるパターンですが、お子さんの塗ったマーライオンを現実世界に表示して一緒に写真を撮ることができます。
また、お子さんの塗ったマーライオンでゲームもできてしまうと言うものです。
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この方向性は良いなと感じつつ、この先のアイデアを進めても良さそうだという手ごたえが得られました。

1つ気になったのはARを使用するために利用しているライブラリ、GoogleARCore。対応スマホが比較的に新しいものに限られます。会場では、子供たちが気に入ってくれてその場でダウンロードをしてくれました。しかし、子供たちが持たされているのは比較的に古いスマホが多く、このMerlion Adventure 2 AR がインストールできない状態でした。
Merlion Adventure の Version 1は AR機能がないですが、どのスマホにも対応しているのでそちらをダウンロードしてもらいました。その場の子供たちは満足してくれているようでしたが、この先 対応を考える必要があるなと感じました。(まあ、時間が解決してくれる問題ではありますが。)


【台北ゲームショー全体的について】

言語に関しては、英語が基本となります。B2Bは基本英語のみで何とかなります。「English, OK?」と言って逃げちゃう人はいません。
しかし、B2Cは一般ユーザーも多く来ます。中国語のみの方もけっこういるので、中国語で話す必要がある場合も多々ありました。特に子供たちは。大人でも中国語でないと逃げちゃいそうな方々はけっこういました。

文字に関しては、ご存知の通り台湾では中国の簡体字ではなく複雑な繁体字が使われています。今回の参加前に元々知り合いの本ゲームショー運営側の方に台湾のゲームは繁体字化をするべきかを聞いてみました。
彼女曰く、みんな簡体字も読むことができプレイに問題はない。しかし、いろいろな事情で繁体字対応は印象としては良いとのことです。

今回の一番の収穫は、多くの業界関係者と知り合いになれたこと。シンガポール周辺国の方々もそうですが、日本の開発者と知り合えたのはとても大きいです。
私の場合、シンガポールに住み始めた以降にこのような活動を始めたので、あまり日本の業界関係者との繋がりが少なかったです。今回のイベントで多くの方と話ができました。これが今回の参加で得た一番の収穫かと思います。

【会場の様子】

それでは、最後に会場で撮った写真をいくつか紹介します。これで、まだ参加したことのない方はイメージがわくかと思います。

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