今回も前回に引き続き シンガポール映画 のネタです。前回、内容の途中まで書きました、「Apprentice」と言う死刑制度のあるシンガポールでの死刑執行人(英語で言うと「Executioner」)の感情や想いを描いた映画に関してです。
【 シンガポール映画「Apprentice」の紹介 Part1 】
テーマがとても重いです。思い出しながら書くので自分も気が重くなりました。そして、再度読むとより気が重くなります。みなさんも読む際はお気をつけ下さい。
(Film Poster)
【内容】(前回のつづき)
(全部のストーリーを書きませんが、70%近くは書いてあります。完全ネタバレです。注意してください。)
(前回までのあらすじ:主人公は Aiman と言う死刑囚のいる刑務所で囚人更生化に関する仕事を行っている青年。彼が、死刑執行人のリーダーである Rahim と偶然出会い、絞首刑用ロープの購入に伴ったことで二人に友情がめばえたところ。)
【 シンガポール映画「Apprentice」の紹介 Part1 】
テーマがとても重いです。思い出しながら書くので自分も気が重くなりました。そして、再度読むとより気が重くなります。みなさんも読む際はお気をつけ下さい。

【内容】(前回のつづき)
(全部のストーリーを書きませんが、70%近くは書いてあります。完全ネタバレです。注意してください。)
(前回までのあらすじ:主人公は Aiman と言う死刑囚のいる刑務所で囚人更生化に関する仕事を行っている青年。彼が、死刑執行人のリーダーである Rahim と偶然出会い、絞首刑用ロープの購入に伴ったことで二人に友情がめばえたところ。)
死刑執行人のリーダーである Rahim と絞首刑用ロープの購入を終えたあと、主人公 Aiman は家でこの死刑執行人とあった話を姉の Suhaila に伝えます。姉は死刑執行や死刑執行人について きつく言います。と言うのは、彼らの父親は30年前に殺人罪で死刑となっていたのでした。
また後日、刑務所の職場で、Aiman は Rahim の助手を務める同僚がこの業務から辞退することを聞きます。当然想像がつきますが、耐えきれなかったわけです。Rahim は Aiman を彼の助手の後任として推薦します。これに Aiman は同意して、Aiman は死刑執行人助手となります。Aiman は Rahim から死刑執行人のレクチャーを受け、2人の友情はより強いものになります。
そして、とうとう Aiman の初めての死刑執行人助手としての仕事が入ってきます。その死刑囚は麻薬をシンガポール国内に持ち込み売買をしていた男です。(シンガポールは麻薬にとても厳しく、ヘロイン 15グラム以上の持ち込みで死刑となります。外国人も。オーストラリアなど死刑廃止国の国民が死刑となると たびたび外交問題が発生しており、外国人への死刑は最近は無くなってきていると言う話もあります。)
死刑執行人はただ死刑執行をするだけでなく、死刑囚が死刑前日に良い夕食が食べられるように手配したり、事前に家族等が死刑執行時に着る特別な服などを届けに来て、本人に会わない際はそれを受け取り死刑囚に手渡すような業務もあります。
(Trailarより)
この麻薬密輸で死刑となる男の元にも、その妻が死刑執行される際に着るきれいにアイロンのかかったワイシャツを届けます。しかし、その妻は彼に会わずに帰りました。Aiman は理由は明確に言ってませんでしたが、たぶん会って渡したらと促すために独断で彼女のもとに訪れます。しかし、彼女の両親が彼と会うことを頑なに認めないため門前払いされます。
そして、死刑の執行が行われる朝、Aiman ともう一人の助手が死刑囚を死刑台まで連れていくため独房へ向かいます。死刑囚は妻の持ってきてくれたアイロンのかかったワイシャツを着たまま、横たわり目をつぶっています。読んでも目を開けないため、ベットを蹴って立つように促します。
そして、Aiman ともう一人の助手はこの死刑囚の両腕を持ち絞首台のある死刑執行の部屋に連れて行きます。最後の暗い直線の廊下、正面には死刑執行人の Rahim とその上司が 死刑囚、二人の死刑執行人助手と牧師の4人を見ながら待っています。死刑囚は怖気づき歩けなくなってしまいます。Aiman 達は死刑囚に深呼吸を促しつつ、ドアの先は絞首台である廊下の終点、Rahim 達がまつ場所まで死刑囚を連れて行きます。
(Trailarより)
この廊下の終点で、仕事は Rahim に移ります。死刑囚に目隠しの麻袋のようなものを頭にかぶせ、絞首台でロープを首にかけます。そして、外でベルがなったと思ったら、何のためらいもなく一瞬で Rahim によりレバーが引かれます。初めて目にする Aiman にとってはほんとうに一瞬の出来事の様でした。下のフロアーで待機した他の助手が死体をベットに乗せ、医師が死亡を確認します。死刑の執行が終わりました。
その後、Aiman は初めての死刑執行に携わり、冷静ではいられません。トイレで吐いたり眠ることもできません。何日も悩んでしまいます。そして、後日 Rahim の車で帰宅する際言ってしまいます。「あの死刑囚は殺人をしたわけでもない。何で我々に殺される必要があるんだ。」と。Rahim はそれを聞き、「死刑囚を誰も死刑にしないでほっとけと言うのか、お前は?」と言い合い険悪な関係になっていってしまいます。
帰宅した Aiman はやはりこの仕事は辞退することを告げることを決意します。
翌日、Rahim は偶然、Aiman の本当の(生まれた際の)ファミリーネームを知ります。Aiman と姉は父親が死刑を受けてなくなってからは、母親側のファミリーネームを使っていました。刑務所の事務処理上、生まれた時のファミリーネームが漏れていたことを上司に指摘されて、その書類が提出されていたのです。Rahim はその名を見て見覚えがあり、刑務所の過去の書類をさばくって見ます。すると彼が昔死刑を執行した死刑囚の1人であることが分かります。。。
(Trailarより)
また後日、刑務所の職場で、Aiman は Rahim の助手を務める同僚がこの業務から辞退することを聞きます。当然想像がつきますが、耐えきれなかったわけです。Rahim は Aiman を彼の助手の後任として推薦します。これに Aiman は同意して、Aiman は死刑執行人助手となります。Aiman は Rahim から死刑執行人のレクチャーを受け、2人の友情はより強いものになります。
そして、とうとう Aiman の初めての死刑執行人助手としての仕事が入ってきます。その死刑囚は麻薬をシンガポール国内に持ち込み売買をしていた男です。(シンガポールは麻薬にとても厳しく、ヘロイン 15グラム以上の持ち込みで死刑となります。外国人も。オーストラリアなど死刑廃止国の国民が死刑となると たびたび外交問題が発生しており、外国人への死刑は最近は無くなってきていると言う話もあります。)
死刑執行人はただ死刑執行をするだけでなく、死刑囚が死刑前日に良い夕食が食べられるように手配したり、事前に家族等が死刑執行時に着る特別な服などを届けに来て、本人に会わない際はそれを受け取り死刑囚に手渡すような業務もあります。

この麻薬密輸で死刑となる男の元にも、その妻が死刑執行される際に着るきれいにアイロンのかかったワイシャツを届けます。しかし、その妻は彼に会わずに帰りました。Aiman は理由は明確に言ってませんでしたが、たぶん会って渡したらと促すために独断で彼女のもとに訪れます。しかし、彼女の両親が彼と会うことを頑なに認めないため門前払いされます。
そして、死刑の執行が行われる朝、Aiman ともう一人の助手が死刑囚を死刑台まで連れていくため独房へ向かいます。死刑囚は妻の持ってきてくれたアイロンのかかったワイシャツを着たまま、横たわり目をつぶっています。読んでも目を開けないため、ベットを蹴って立つように促します。
そして、Aiman ともう一人の助手はこの死刑囚の両腕を持ち絞首台のある死刑執行の部屋に連れて行きます。最後の暗い直線の廊下、正面には死刑執行人の Rahim とその上司が 死刑囚、二人の死刑執行人助手と牧師の4人を見ながら待っています。死刑囚は怖気づき歩けなくなってしまいます。Aiman 達は死刑囚に深呼吸を促しつつ、ドアの先は絞首台である廊下の終点、Rahim 達がまつ場所まで死刑囚を連れて行きます。

この廊下の終点で、仕事は Rahim に移ります。死刑囚に目隠しの麻袋のようなものを頭にかぶせ、絞首台でロープを首にかけます。そして、外でベルがなったと思ったら、何のためらいもなく一瞬で Rahim によりレバーが引かれます。初めて目にする Aiman にとってはほんとうに一瞬の出来事の様でした。下のフロアーで待機した他の助手が死体をベットに乗せ、医師が死亡を確認します。死刑の執行が終わりました。
その後、Aiman は初めての死刑執行に携わり、冷静ではいられません。トイレで吐いたり眠ることもできません。何日も悩んでしまいます。そして、後日 Rahim の車で帰宅する際言ってしまいます。「あの死刑囚は殺人をしたわけでもない。何で我々に殺される必要があるんだ。」と。Rahim はそれを聞き、「死刑囚を誰も死刑にしないでほっとけと言うのか、お前は?」と言い合い険悪な関係になっていってしまいます。
帰宅した Aiman はやはりこの仕事は辞退することを告げることを決意します。
翌日、Rahim は偶然、Aiman の本当の(生まれた際の)ファミリーネームを知ります。Aiman と姉は父親が死刑を受けてなくなってからは、母親側のファミリーネームを使っていました。刑務所の事務処理上、生まれた時のファミリーネームが漏れていたことを上司に指摘されて、その書類が提出されていたのです。Rahim はその名を見て見覚えがあり、刑務所の過去の書類をさばくって見ます。すると彼が昔死刑を執行した死刑囚の1人であることが分かります。。。

ここまでで、内容の70%くらいです。ここからがまだまだ重い話が続いてきます。さすがに全てネタバレは良くないので、ここで止めときます。観る手段がDVDやネットなんかであればぜひ観てみてください。
(ちなみに、Aiman は死刑執行人を結局辞めません。)
(ちなみに、Aiman は死刑執行人を結局辞めません。)
【キャスト】
まず先に監督に関して。監督は中華系シンガポール人の Boo Junfeng。いくつかの映画を制作していますが、どれもとても考えさせられる系の話です。私はその中の「7 Letters」は観たことがあります。彼のデビュー作「Sandcastle」はカンヌ国際映画祭にシンガポール人で初めて招待された映画となっています。
では本作の主役について。主要な役は以下の二人となります。
主役の死刑執行人助手 Aiman 役は Firdaus Rhaman と言う映画では実績のなりマレー系シンガポール人の俳優です。彼は若いころから俳優をやっており、TVドラマで10年ほどの俳優経験があったそうです。映画の主役は本作が初めてとのこと。
死刑執行人 Rahim 役を演じたのはマレーシア出身のベテラン映画俳優 Wan Hanafi Su。いくつものマレーシア映画に出演経験があり、40年以上の芸歴があります。もうおじいちゃん俳優です。
まず先に監督に関して。監督は中華系シンガポール人の Boo Junfeng。いくつかの映画を制作していますが、どれもとても考えさせられる系の話です。私はその中の「7 Letters」は観たことがあります。彼のデビュー作「Sandcastle」はカンヌ国際映画祭にシンガポール人で初めて招待された映画となっています。
では本作の主役について。主要な役は以下の二人となります。
主役の死刑執行人助手 Aiman 役は Firdaus Rhaman と言う映画では実績のなりマレー系シンガポール人の俳優です。彼は若いころから俳優をやっており、TVドラマで10年ほどの俳優経験があったそうです。映画の主役は本作が初めてとのこと。
死刑執行人 Rahim 役を演じたのはマレーシア出身のベテラン映画俳優 Wan Hanafi Su。いくつものマレーシア映画に出演経験があり、40年以上の芸歴があります。もうおじいちゃん俳優です。
脇役を少し紹介すると、まず、死刑執行人 Rahim、Aiman の上司 James Tan 役の Koh Boon Pin。中華系シンガポール人で、彼は子役から活躍するベテラン俳優です。出演映画は多数です。ちょうどこの映画をシンガポール航空機内で観ていた時に、同時に観たシンガポール映画「12 Storeys」にも出演。そちらではより重要な役をやっていました。こちらも重くて考えさせられる内容の映画です。
そして、主人公 Aiman の姉役 Suhaila を演じた Mastura Ahmad。マレー系シンガポール人の女性でいくつかの映画やTVドラマにも出演しております。私の観たことのある映画には出演していません。今回の映画では、あまり出てきませんが、実は主人公の父親が死刑を受けていることと、その子供としての立ち位置を視聴者に伝える重要な役を行っています。
そして、主人公 Aiman の姉役 Suhaila を演じた Mastura Ahmad。マレー系シンガポール人の女性でいくつかの映画やTVドラマにも出演しております。私の観たことのある映画には出演していません。今回の映画では、あまり出てきませんが、実は主人公の父親が死刑を受けていることと、その子供としての立ち位置を視聴者に伝える重要な役を行っています。
今回の映画は ほんとうに重い映画で読むのに疲れたかと思います。しかし、こう言う映画から我々のあまり知らない世界を知ることができ、考えられるのは良いことですね。
また、シンガポール映画全般的に言えますが、日本の方々にはそもそも観る機会はほとんどないかと思います。ぜひこれらシンガポール映画を通してシンガポールに興味をもって頂きたいと思います。そのためにも、今後もこのような形でシンガポール映画をどんどん紹介していきます。ご期待ください。
また、シンガポール映画全般的に言えますが、日本の方々にはそもそも観る機会はほとんどないかと思います。ぜひこれらシンガポール映画を通してシンガポールに興味をもって頂きたいと思います。そのためにも、今後もこのような形でシンガポール映画をどんどん紹介していきます。ご期待ください。
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