前回、4月23日に参加した Unityシンガポール 主催のUnity AR Foundationの講座に関してレポートしました。(当日の講座の講師は Unityシンガポールの Evangelist である Marek Marchlewicz です。)

そこでは、講座の前半にあった、AR Foundation とはどのような物かと言うような基本を紹介しました。

「Unity AR Foundation」講座の参加レポート

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今回は、その講座の後半にありました AR Foundation の実習の内容を基に、Unity AR Foundation の設定方法 を画面イメージをまじえ説明しようと思います。
【設定作業全体の流れ】

今回の作業は以下のような流れで進めていきます。

  Step 0:事前準備としてビルド環境の構築
  Step 1:必要なパッケージのインポート
  Step 2:AR Sessionのオブジェクト追加とPlayer Setting
  Step 3:認識した特徴点の表示設定
  Step 4:認識した平面の表示設定
  Step 5:3Dオブジェクトを表示するC#スクリプトの作成
  Step 6:モバイルデバイスでテスト実行


【Step 0:事前準備としてビルド環境の構築】

今回の環境は以下のようになります。Unityはこの講座実施日には Unity 2019.1 がリリースされていましたが、直前でリリースされたばかりだったので Unity2018.3 を使用しています。
そして、Android にビルドするか、iOS にビルドするかによって、前準備や前半の設定作業も変わってきます。ここでは、Android端末にビルドする例を行います。
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前準備としては、Unityのインストール以外にも Android Build Support platform componentAndroid SDK tool のインストールも必要です。
また、Androidデバイス側の USB Debugging を有効にしておく必要もあります。
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これらは、ARに関係なく既に Android端末に対してビルドしたことがあれば設定済みのものです。
(iOSに関しても同じような設定を事前に行っておきます。)


【Step1:必要なパッケージのインポート】

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Unityを立ち上げて、新しいプロジェクトを作成します。
ターゲットプラットフォームを Androidに変更します。メニューから File > Build Settings... をクリックします。
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Build Settingsスクリーンで、まず、Platformを変更します。Platformウィンドウでターゲットプラットフォームを今回は「Android」に変更して、「Switch Platform」ボタンをクリックします。
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プラットフォームの変更は けっこう時間がかかります。
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次に Package Manager から AR Foundation に必要なパッケージをインポートします。
メニューから Windows > Package Manager をクリックして、Package Manager を立ち上げます。
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以下のように Package Manager 上で Package がリストされます。が、「AR Foundation」が見当たりません。
これは、この講座と執筆時のことなので、「AR Foundation」が見つかったら そのまま先に進んで下さい。
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実は、通常 Package Manager に Preview版の Package が表示されていません。そこで、Advanced > Show preview packages をクリックします。
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ここで、「Previewは安定してないぞ!そして製品版のようなサポートは無いぞ!それでもやるか?」と聞いてきます。もちろんと言って「Yes」をクリックします。
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すると、大量の Preview版の Package が表示されます。
今回は Android に対応させるため、「ARCore XR Plugin」と「AR Foundation」の Plugin をそれぞれ「Install」ボタンをクリックしてインストールします。
(iOSへビルドする場合は、「ARCore XR Plugin」の代わりに「ARKit XR Plugin」をインストールします。)
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【Step 2:AR Sessionのオブジェクト追加とPlayer Setting】

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ARを作る際は AR用カメラを用いるのが通常であるので、まず、初期設定されている Main Camera を削除します。
Hierarchyビューより、「Main Camera」オブジェクト上で右クリックして、Delete をクリックします。
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次に、Hierarchyビューから Create > XR > AR Session Origin をクリックして、AR Session Origin オブジェクトを作成します。
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また、Hierarchyビューから Create > XR > AR Session をクリックして、AR Session オブジェクトを作成します。
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ここで、一度 Scene をセーブしておきます。(File > Save
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次に、Player Setting を行います。メニューから File > Build Settings... をクリックします。
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Build Settings画面から「Player Settings...」ボタンをクリックします。
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Inspectorビューに表示された Player Setting画面の Other Settings エリアで以下の設定を行います。

・「Multithreaded Rendering」のチェックをはずす。
・「Package Name」を入力する。
 (適当な名前で構いませんが、通常 「com.会社名.アプリ名 」となります。)
・「Minimum API Level」で「API level 24」を選択する。
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【Step 3:認識した特徴点の表示設定】

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まず、Hierarchyビューから Create > XR > AR Default Point Cloud をクリックして、AR Default Point  オブジェクトを作成します。これが特徴点を認識した際に表示するドットとなります。
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Hierarchyビュー上の「AR Default Point Cloud」をProjectビューにドラッグ&ドロップして、Prefab化します。
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Hierarchyビュー上の「AR Session Origin」をクリックして、Inspectorビュー上で Add Component ボタンをクリックします。そこから、「AR Point Cloud Manager」を検索して追加します。
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先ほど Prefab化した Projectビュー上の「AR Default Point Cloud」を Inspectorビュー上の AR Point Cloud Manager コンポーネントの「Point Cloud Prefab」へドラッグ&ドロップします。
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最後に、Prefab化したオブジェクトは、Hierarchyビュー上には必要はないので、右クリックして Delete をクリックします。
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Step 3 はここまで。次のStep 4からは次回説明いたします。




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