今回は かなり記事の投稿が遅れましたが、3月16日から3月22日にアメリカ サンフランシスコで行われたGDC2019 (Game Development Conference)Unity Keynote に関しての紹介をします。
(Unite、GDC等、Unity の Keynote に関しては毎回まとめ記事を書いているので。)

GDCは毎年基本的にアメリカで行われる世界最大規模のゲーム開発者向けのイベントです。ユーザー向けではなく開発者向けなので、ゲームの新作発表より新技術や 開発者向け新サービスの発表なんかが多く行われます。
当然、Unityはゲーム開発者向けのツールなのでそこで Keynote や Session が行われるわけです。
GDC2019_00(動画より)

この当日の Unity Keynote の模様はライブストリーミングされ、現在は以下の Youtube からその動画を観ることができます。
今回は、みなさんの関心のある部分を直接見られるように、この動画をベースに何分のところから次のトピックが始まるかを示しながら、当日行われたスピーチの順番で内容紹介をしていきます。



【0:00:00:Keynoteスタート前のPreshow】

最近の Unity の Keynote ではお馴染みですが、今回も Keynote の前に Preshow と言うものがありました。毎回同じ Technical Evangelist の Liz Mercuri と、Product Manager の Will Goldstone が司会です。今回の Keynote や Session の注目点なんかが解説されました。
GDC2019_01(動画より)

その中で大きな注目点として ARの話が出て、Made of Unity の ARゲームをビデオで紹介。以下のゲームが紹介されてました。

Angry Birds Isle of Pigs,  Tonandi,  Wonderscope,  Beat Saber, Runnin’,   TendAR,  Superhot,   Sandbox VR,  The Dial,  Dr.G,  Jurassic World Alive,  Lambchild Superstar,   Transpose
GDC2019_02(動画より)



【0:23:30:CEOによるオープニングスピーチ】

まず現れたのは、Unity CEOである John Riccitiello。Made with Unity の映像を挟んで、いつも通りUnityの理念と数字の話が語られます。

モバイルゲームの TOP1000のうち 45%が Made with Unity。PC、コンソールゲームの TOP20のうち 33%が Made with Unity。iOS, Androidゲームの TOP10のうち 70%が Made with Unity と。
GDC2019_03(動画より)

そして、今回 Unityが開発者へ提供している3つの Supportを紹介。Create、Operate、Monetize について。

Create:今まではモバイルのベスト開発環境だったが、Data Oriented Technology Stack により PCや Consoleに対しても今後ベストな開発環境となっていく。

Operate:Google Cloud Platform と組んで提供する拡張性抜群の Multiplayer の環境と共に、Voice、Text Chat のプラットフォームを提供する VIVOXを Unityに取り込み それらの開発環境も提供していく。
また、中国でのゲームの提供環境として Tencent Cloud とパートナーシップを結び2019年後半から提供開始とも発表されました。

Monetize:Unity Ads が紹介されました。既に Unity Ads は Google, Facebook に次いで3番目に大きな Video Ads Network で、fortnight の epic も使っているとのこと。Unity Ads で17億のデバイスにリーチでき、毎月105億の Ads が表示されているとのこと。
GDC2019_04(動画より)


【0:37:40:Unityで開発された「Call of Duty mobile」の紹介】

ゲーム「Call of Duty」で有名な Activision の Vice President である Chris Plummer が登壇。彼からCall of Duty mobileがアナウンスされ、それが Unity で作成されたことが紹介されました。彼らはその Mobile版作成を Tencent と組んで行ったと言うことで、Tencentのエンジニア(Shasow Ghoul)が Unity Editor を操作してデモを行いました。
GDC2019_05(動画より)

この「Call of Duty mobile」はComing Soonで、この当日より Pre Registration を始めるとアナウンスしていました。


【0:43:40:ゲームシステムの共通コンポーネント Game Foundation】

次に、Director of Product Management の Stephen Sullivan からゲームを開発する際に共通的に必要となるゲームシステムについて解説。通常 Inventory Currency Management, Virtual Stores, Player Progress なんかはどれも似たようなシステムだが毎回開発する必要がある。
GDC2019_06(動画より)

そこで、Unityはゲームシステムを作る共通コンポーネントとしてGame Foundationを開発。これは今年第2四半期よりベータ版をリリースするとのこと。


【0:47:20:LWRPのリリースと先行事例の紹介】

Graphic Product Manager の Arisa Scott から昨年 Preview版として発表したモバイルに最適な LWRP Lightweight Render Pipelineが遂に Unity2019.1 で製品版としてリリースされると発表されました。
GDC2019_07(動画より)

続いて、DISRUPTIVE GAMES の Co-founder である Jake Biegel が登壇して、今年最初にMEGALITH:PS VR をリリースしたが、 Unityからモバイルデモを作らないかと話があったことを紹介。そこで、GDCのデモのため Unityの LWRP と強力なツールを用いて数週間で完成させたとのこと。

そのモバイル版 MEGALITH の詳細説明を DISRUPTIVE GAMES の Jed Melnik といつもお馴染みの Lucas Meijer (Unity Technical Director) が解説。
GDC2019_08(動画より)

美しいグラフィックが特徴的な MEGALITH を LWRPShader Graph でモバイル版に移植したものを Unity Editor上で説明。
Lighting と Performance が重要で 以前は Pre-Bakingしていたが、LWRP では Dynamic にできるようになったとのこと。以前は Artist と Engineer が協力して時間をかけてやっていたが、Shader Graph を使って1人の Artist だけで作ったと紹介。LWRP なのでハイエンドモバイルでなくても動くとのこと。


【0:54:00:LWRPの先行事例の紹介2とShader Graphのリリース】

また、他の LWRP の先行事例として Glu Mobile で Sr Software  Engineer を務める Kevin Somers が LWRP を用いて開発された Disney の「SORCERER’S ARENA」が Coming Soon であることをアナウンス。
GDC2019_10(動画より)

この「SORCERER’S ARENA」は Disnyキャラクターでチームを組んで、Battle Field で魔法や武器を駆使して戦う Strategicゲームで LWRP を使用。特に Shader Graph を用いたことにより Artist自身が簡単に柔軟に開発できたと紹介。

その後、Franz Mendonsa (Sr. VFX Artist, Glu Mobile) と、再度 Lucas Meijer (Unity Technical Director) が現れ、Shader Graph のデモを実施。Shader Graphで作ったというDisneyキャラのアニメーションを、簡単に別のイメージに変えていました。
GDC2019_09(動画より)

そして、Shader Graph は Available Nowとのアナウンスが同時に行われました。


今回は前半1時間の紹介となりました。次回、後半1時間の紹介をします。

「GDC2019:Unity Keynote」の紹介 Part 2


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