先月 9月25日-26日に グランドニッコー東京 で行われた Unity Japan 主催の Unite Tokyo 2019

UniteTokyo2019_01

Unite はゲームエンジンUnityが世界各地で行う大規模なイベント。Unityに関する技術的なセッションや、使用事例に関するセッションがたくさん行われます。

毎年この東京の Unite、参加したいのですが、シンガポールからだと行けないイベント。(Unite Singaporeは毎年参加しています。)

しかし、Unite Tokyoで行われた多くのセッションが動画で公開されます。そして、その Keynoteが公開されています。
今回は、この Youtubeに公開されている動画を元に、Keynoteの内容の詳細をまとめてみます。気になる部分を直接観られるように、時間と登壇者を示しながら。(Unityの Keynoteでは毎回やっているのですが。)


【0:00:オープニングスピーチ】

まず、最初に登壇したのは、Country Manager の 豊田信夫 さん。(ちなみに、豊田さんは元セガ・オブ・アメリカの副社長であった方で、アメリカで任天堂との激しいバトルをされてきた伝説の経営者でもあります。)
UniteTokyo2019_05(公開動画より)

Unityが RT3D を初めて15年、日本は最も Unityが活用されている国と言う紹介をされて、大前広樹さんにバトンタッチ。

そして、Regional Director, Japan の 大前広樹 さんが今日の Keynoteの紹介。Keynote内で誰が何を紹介するかと言う話。

そして、15年前のコペンハーゲン、ガレージの1室で Unityの最初の1行が書かれた と言う話。
(これだけ大規模なゲーム開発エコシステムなのに、15年しか経ってないのか と改めて驚きました。)

恒例の数字の話は少なめで、Real Time 3D (RT3D) の話がメイン。
まず、ゲーム産業は黄金時代であり規模は年間1500億ドルであり、映画、音楽産業を抜き去り最も大きなエンターテインメント産業に成長した。技術の進歩がゲーム業界をより上のステージに引き上げると。

そして、ゲーム産業は他の業界を抜き去るだけでなく、RT3Dの面で他の業界を取り込もうとしている。10年前は音楽・映画産業を背中を見上げる存在であったが、今はその他の産業も含めて、助けてほしいと言われる存在。
RT3Dに精通することは、他の産業の変革者にもなれる。この RT3Dの革命を用いて、我々のクリエイティビティの可能性が世界の形を変えると。
良いお話です。
UniteTokyo2019_02(公開動画より)

(Unite Copenhagen 2019の Keynoteで Unity CEOの John Riccitiello が行ったスピーチと完全に同じですが。各国の Unite Keynoteを見てみると、基本部分の内容に沿いながら、各国で力を入れている部分を追加している感じ。Tokyoは日本で実績のあるアニメーション関連。
しかし、Unity Singaporeは何も個別の実績がないのか、各国同じの基本部分だけでつまらなかった。。。2年前の Unite Singaporeでは、東南アジアで作られた Made with Unityを紹介していて、これは良いなと思ったけど。今のシンガポールは。。。)


【11:56:Made with Unity (日本の代表作)】

日本の基本大手さんの Made with Unity の紹介。以下の作品です。すごい数。
  • マリオカートツアー(任天堂)
  • THE KING OF FIGHTERS ALLSTAR(ネットマーブル)
  • ロマンシング サガ リ・ユニバース(スクウェア・エニックス)
  • PAC-MAN CHAMPIONSHIP EDITION 2 PLUS(Bandai Namco Entertainment)
  • 妖怪ウォッチ メダルウォーズ(ネットマーブル)
  • 囚われのパルマ(カプコン)
  • 東京クロノス(MyDearest)
  • 狼と香辛料VR(ジェムドロップ)
  • 禍つヴァールハイト(KLab)
  • スペースチャネル5 VR あらかた☆ダンシングショー(グランディング)
  • デスマーチクラブ(イザナギゲームズ)
  • テラウォーズ(MISTWALKER / ARZEST)
  • LA-MULANA2(NIGORO)
  • BLACK BIRD(Onion Games)
  • HEROINE ANTHEM ZERO 2(WINKING ENTERTAINMENT)
  • DX2 真・女神転生リベレーション(セガゲームズ)
  • The MISSING - J.J. マクフィールドと追憶島-(White Owls)
  • 7つの大罪 ~光と闇の交戦(グラントクロス)~(ネットマーブル)


【15:22:Data-Oriented Technology Stack(DOTS)】

次は Data-Oriented Technology Stack(DOTS)の話。
Californiaから来日した Elizabeth Baumel (DOTS Software Engineer)と Aria Bonczek (BOTS Software Engineer)です。
DOTSの開発者の2人が会話形式で説明をしていきます。(Unite Copnhagenでは、Technical DirectorのLucas Meijer と Co-founderでCTOの Joachim Ante、Technical Art Directorの Martin Kummel が行ったパート。)

ハイパフォーマンスなマルチスレッドを実現するため Unityのコアとなる土台を再構築したものがDOTS。この DOTSには C# Job SystemBurst CompilerEntity Component System が含まれる。

彼女たちは、まず DOTSコードを見せて、DOTSは簡単なコードで書けることを説明。(これが難しい説明でした。)
自動で Codeを作成してくれる、新規追加された [GenerateAuthoringComponent] 属性について。また、Entities.ForEach function の拡張について。
UniteTokyo2019_03(公開動画より)

そして、次に DOTSの Workflow について。DOTSが Runtimeのデータと、Editor上で設定しているデータの橋渡しをしてくれると。
デモでは、DOTSのサンプルネットワークゲームを2人でプレイ。プレイしながら、Editor上で変更を加え、それが直接マルチプレイヤーゲームに反映されてしまう。オブジェクトを追加したり、Shader Graph からシェーダを直接変更したり。PCでなく Consoleでも全てのどのタイプのデバイスにも反映できると。すごいですね。Data Oriented のなせる技ですね。


【27:15:Connected Games】

次は Unityの 紀ノ岡輝彦 さんから Connected Games について。
Unityは Real time Multiplayer Mobile Game の必要機能を高めるため、チェコの SHADOWGUN LEGENDS, UNKILLED を開発した MADFINGER GAMES を協力。

彼らは e-Sports 向け Real time Multiplayerゲーム「SHADOWGUN WAR GAMES」開発を通して、遅延削減、チーター対策、公正迅速なマッチング を実現したと。
UniteTokyo2019_04(公開動画より)

Unity Transport Package を導入して、サーバー、クライアント間のデータのやり取りを効率化して低遅延のプレイヤ同期を実施。そして、Dedicated Server HostingMatchmaking を用いて、プレイヤに最適なサーバー接続を、Voice Communications でボイスチャットを実現。
Unityは今後もオンラインゲームの基盤ツールをさらに強化していくとのこと。



今回それぞれの話を、けっこう詳しく書いているので長くなってしまってます。続きは次に続きます。
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