自分がシンガポール映画でいまのところNo.1と思っている「Ah Boys To Men」。概要と前半15分の話を以前にしました。今回はやっと本当の内容部分を書きたいと思います。(ネタバレも含みます。)
(概要編は、 http://lab7.blog.jp/archives/2317197.html
前半15分編は、 http://lab7.blog.jp/archives/2341665.html です。)

本作のストーリは前にも書きましたが、タイトルの通り、まだまだ遊びたい少年が厳しい規則に従い、きついトレーニングに耐え、部隊で知り合った仲間達とBoysがMenと成長していく物語です。

まだまだ遊びたい主人公は彼女と会えなくなるのがいやで徴兵には行きたくない。その母親は何かあると心配で行かせたくない。当然全てのシンガポール人がこんな気持ちと言う訳ではないでしょうが、こんな思いの人達も多いのではないでしょうか。日本人には経験や想像ができない部分を映画を通して知ることができます。

そんなとてもまじめな感動的なストーリでも笑いを随所に混ぜてくるのがシンガポールスタイル。
実際徴兵がはじまる前にクリニックで健康診断を受けるらしいのですが、映画の中では母親が一緒に行き、この子はよく鼻血は出るしお腹は痛くなるしと必死に医者に徴兵不可の証明書を要求します。医者は当然 可の証明書を発行。その後クリニックの前でトアパイオ(私が前に住んでた地区)にすぐ不可の診断をしてくれる医者がいると母親が言い出します。主人公はすぐそこに行こうと言うのですが、それは無理だ既に彼は刑務所にいるから…なんて笑う部分も頻繁に入ってきます。

息子を送り出す初日は家族も一緒に軍の宿泊所まで行って息子が寝起きするような場所を見せてもらえるそうなのですが、そこでも、母親がシングルルームにアップグレードできないのかとか、フィリピン人メイドをつけて身の周りの世話をさせたらどうですかと軍の教官に進言したり。随所にお笑いが含まれます。

あと、スポンサーである会社がシーンにあからさまに出てくるのもシンガポール映画のあるあるです。おばあちゃんからの差し入れに頂いた Toast Box の Coffee で乾杯をしたり、主人公が彼女にふられるシーンでは主人公が雨に打たれる中、スポンサーのKPMGのレインコートを着た3人組が現れ、これを使いなさいとKPMGのレインコートを渡します…。

他のシンガポール映画だと中華系の人達だけの会話が多く英語混じりの中国語が基本ですが、本作のような軍隊の中ではマレー語やタミル語スピーカーなどもいるわけで、基本英語での会話がメインになります。まあそれはシンガポール人の通常の生活でもあり、私の会社でも中国語で話しているシンガポール人の中に日本人やインド人、フィリピン人、ミャンマー人と混じればすぐに英語に代わるというのが日常であります。

この「Ah Boys To Men」第1作目では、最後には主人公は無事 BoyからMan にステップアップできます。しかし、内容としては完結はしていなく、第2作目に完全につながっています。第2作目はお笑い度がどんどん増していきます。
第2作目に関しても、またいずれ本ブログで紹介しようかと思います。

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