最近私がはまっている フォトグラメトリー(Photogrammetry)。立体物を二次元の通常の写真を撮ることにより 3次元の3Dモデルを作成する技術です。360°全方位から写真を撮り、その大量の写真をソフトウェア的に解析して撮影位置を特定して 3Dモデルが作成できます。
そして私がよく使っているフォトグラメトリーソフトは「3DF Zephyr」。
このソフトを開発しているイタリアの 3Dflow社のサイトにチュートリアルがあり(英語)、そのチュートリアルを日本語で解説しています。
今回はその続きとして チュートリアル #03「When and How to use The Masking Tool」の解説(マスキングツールの使用法)を行っていきます。
この解析範囲をマスキングを使い絞ることにより、解析時間はとても短縮されます。解析は自分のPCだとまる1日解析が必要な場合がありました。そのような場合にはとても重宝します。
【チュートリアル #03 When and How to use The Masking Tool の準備】
ではチュートリアル「When and How to use The Masking Tool」(マスキングツールの使用法)を説明していきます。
まず3Dflow社のチュートリアルサイト
(https://www.3dflow.net/technology/documents/3df-zephyr-tutorials/)
の「#03 Masking」をクリックするか、以下のURLから直接該当ページを開きます。
(https://www.3dflow.net/technology/documents/3df-zephyr-tutorials/)
の「#03 Masking」をクリックするか、以下のURLから直接該当ページを開きます。
そして、使用するデータですが自分で撮影したデータを使うのも良いですが、撮影はまた技術が必要となります。ここではその部分の説明は省き、このサイトに用意されているデータセットをダウンロードして使います。
同じページの「Step1-Introduction」の部分にある「Dataset Download – Dismal Souvenir」をクリックします。
ダウンロードしたデータセットの中身は元写真データと各写真へ施したマスキングデータの bimファイルからなります。

ここでは、最初の4つの写真のマスキングを自分で試す作業をやってみます。そこで、その4枚の写真のマスキングデータ bimファイルを事前に削除しておきます。
【マスキングツールを使用してみる】
3DF Zephyrを立ち上げます。フリー版でかまいません。

まずメニューから New Projectで 新しいプロジェクトを作成します。
Workflow > New Project

Project Wizardのダイアログで「Mask images」にチェックをつけ、「Next」をクリック。

「+」ボタンクリックで取り込む元写真データを選択できますので、先ほど用意した元写真データを選択し、「Open」ボタンをクリックします。
そして、「Next」ボタンをクリック。

すると、同じフォルダにあったマスキングデータ bimファイルも同時に取り込まれます。MaskとStatusの列で分かるように、先ほど準備段階でマスキングデータを削除しておいた最初の4枚のデータは取り込まれることはありませんでした。

では、ここからマスキングツールを使用して、マスキングを行っていきます。Project Wizard:Masking画面にある「Launch Masquerade」ボタンをクリックします。

すると、マスキングツールが1枚目の写真を取り込んだ形で立ち上がります。
【マスキングツールを使用法】
まずこのマスキングツールの画面の説明です。
①: Upper Toolbar
「Save」、「Undo」、「Redo」、「イメージの回転」、「白黒マスキング表示」のボタン。
②: Command History
マスキング処理のコマンド履歴。Undo、Redo処理で使用。
③: Picture List
取り込んだ画像のリスト。マスキング対象の画像を選択表示するのに使用。
④: Tools Toolbar
マスキングツールのマスキング処理用ボタン。詳細は次に説明。
次は Tools Toolbar の説明です。
①: 現在設定中のマスキングのクリア・リセットボタン。
②: 現在のマスキングを次の画像に複製する形でコピーする。
③: 現在のマスキングを次の画像にコピーする。
④: 現在使っているツールをキャンセルする。
⑤: 四角形のマスキングエリアを画面上に作り、⑧ボタンでそのエリアをマスキングに追加する。
⑥: 左クリックでノードを追加していく形でポリゴンのエリアを画面上に作り(ダブルクリックで自動的にポリゴン図形が閉じる)、⑧ボタンでそのエリアをマスキングに追加する。
⑦: ドラッグで投げなわのエリアを画面上に作り、⑧ボタンでそのエリアをマスキングに追加する。
⑧: 現在の選択エリアをマスキングに追加する。
⑨: 現在の選択エリアをマスキングから削除する。
⑩: ターンテーブルに対応したマスキングを自動で行うアルゴリズムの実行。
⑪: 赤と青の線で計算した現在のシルエットのマスキングを使って、次の画像を自動でマスキング計算を行う。
⑫: 画像上の色を選択して、その色を含むエリアのシルエットをマスキングする。
⑬: 自動計算モードでマスキングに含める部分をマーキングする。
⑭: 自動計算モードでマスキングから除く部分をマーキングする。
⑮: 赤と青のそれぞれの線を引いた後 直ちに自動計算をするかの設定。
⑯: 現在の画像のマスキングを自動計算する。(自動マスキングモードでのみ利用可。)
⑰: ブラシのサイズを設定。
今回はいったんここまでで、次回に本チュートリアルの続きを解説します。
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