前回、シンガポール映画の「Wonder Boy」に関して、概要をお伝えしました。
http://lab7.blog.jp/archives/3147317.html
今回はネタバレもありでストーリーに関して書いてみます。

その前に、本作品は1970年代のシンガポールが舞台で、有名シンガーソングライターの Dick Lee が最初のヒット作 「Fried Rice Paradise」 を世に出すまでのストーリーなのですが、その 「Fried Rice Paradise」。
この映画の出演者たちが歌っている 「Fried Rice Paradise」 が以下の動画で観られます。
一度聞くと頭から離れなくなるような曲です。 どうぞご覧ください。


<ここからネタバレあり。しかし本作品は実話ストーリーだから、Dick Lee の Wikipedia のページなんかでも彼の過去が分かるので大丈夫ですかね。>
長髪もロックも禁止されていた1970年代のシンガポール。
この当時、長髪の者は薬物中毒者扱いされていたとのこと。
(実際、長髪と言ってもちょっと耳にかかるかどうかの長髪だったり、ロックと言ってもハードロックは即牢獄行きだが、もっとソフトな これもロックのジャンル?みたいなのでもセンシティブに扱われていたようですね。)
ちなみに本作品の映像もとてもリアルな感じで、1970年代のシンガポールを忠実に再現しているようです。

そんな中、高校時代の主人公 Dick Lee は親や周囲の反対を無視して作詞作曲を含め音楽活動を続けています。
そして、新しく転向した学校でバンドをやっている仲間と知り合うわけです。
彼らはキーボードプレイヤーを探していて、ピアノが弾ける Dick Lee は彼らのバンドグループからの誘いを受けます。
そのバンドグループが映画のタイトルにもある「Wonder Boy」。

彼らは有名曲をコピーして、学校での音楽Competitionに参加します。そしてそこで良い結果を出したようです。
しかし、バンド仲間も世間も、みな海外の有名曲にのみ興味があり、シンガポールでの自作曲になんて全く興味がありません。
Dick Lee は音楽を披露するのも好きなわけですが、自分の作詞作曲した曲も披露したい。
バンド仲間達に、自分の曲をと訴えるも、誰もそんな話をきいてくれません。
そしてバンド仲間達はそれをうっとうしがって、Dick Lee から離れて行ってしまいます。

意気消沈してしまった Dick Lee は、シンガポール人にとってものすごく重要な O Levelテスト(日本で言う大学入試センター試験みたいな感じ)を開始早々退出してしまいます。
そんな中、同じように試験をばっくれた女の子 Lindaと知り合い、彼女に惚れてしまうと共に、どんどん悪い道(Drug なんかも)に進んでいってしまいます。。
Lindaは最後には離れて行ってしまい、とうとう家族ともうまくいかなくなってしまいます。
しかし、家族は彼を暖かく受け入れ、彼も家族に対して気持ちを入れ替えようとしたタイミングに悲しい事故が起きます。
彼の妹が交通事故で亡くなってしまいます。。。

そして、高校卒業後彼はバーなどでピアノを弾くような仕事をこなしていきます。
そんな中、久しぶりにあった高校時代の友人に、タレントコンテストに出てみてはと提案されます。
そして、そこでプロデューサーに認められて、デビューをしますが最初は全く一般には受け入れられません。
当時のシンガポールの一般の人々は、外国でヒットしてるような有名タイトルしか興味がないのです。
そん中、そのプロデューサー達は完全にローカル色の高い「Fried Rice Paradise」をラジオでかけまくる手段をとります。
この耳に残りやすい曲が、シンガポールの多くの人々の記憶に残り、すごい勢いでヒットチャートを駆け上っていきます。
そして、この「Fried Rice Paradise」のヒットが生み出されました。

最後には現在のシーンとして、Dick Lee 本人が、既に誰も住んでいない、作中に出てきた Dick Lee の実家に訪れます。
そしてそこで、彼の作詞作曲で National Day なんかでも流れる「Home」と言う曲を彼本人が歌います。
昔を思い出しながら。家族、友人たちのことを思い出しながら。

感動のシーンですね。

と言うような感じで、細かい部分は除いて、だいたい全ストーリーを書いてしまいました。
まあ、妹が交通事故で亡くなってしまうことも彼の Wikipedia のページに書いてあるような事実です。
ですので、全体のストーリーがだいたい分かっていても観るのには問題ないかと思います。

この作品の良さは、自伝ストーリーより、映像、演出や俳優たちの演技から来る家族愛や懐かしい青春時代なんかのテーマだと思います。
ぜひ観るチャンスがあれば、(日本ではシンガポール映画はどうしても観る機会がないですよね。。。)実際に観て感動してもらいたいと思います。

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